X（g01r2）

図8.2はCu K$\alpha$ X線（波長 $\lambda = 1.5418$ Å）による立方晶物質の粉末回折パターンで，はじめの6ピークの2$\theta$値および相対強度が示されている．以下の問に答えよ．

図 8.2: Cu K$\alpha$ X線による立方晶物質の粉末回折パターン

1. 本物質の構造は，単純，面心，体心のいずれであるか．理由を付けて答えよ．
2. 各回折ピークのミラー指数$(h\ k\ l)$およびその多重度$p$を示せ．また格子定数$a$を求めよ．
3. 偏光因子およびローレンツ因子の補正を行い，各ミラー指数に対する構造因子の二乗$\vert F_{hkl}\vert^{2}$を求めよ．
4. 本物質は，二種類の原子A，B（原子比$1:1$）からなり，それぞれの原子構造因子$f_{\rm A}$，$f_{\rm B}$の$\theta$依存性は近似的に次式で表される．
   

   $$f_{\rm A} = 5.729 + 0.3907/[(\sin\theta/\lambda)^2 + 0.03844],$$

   $$f_{\rm B} = 9.748 + 1.37/[(\sin\theta/\lambda)^2 + 0.06851].$$

   
   
   原子Aが原点を占有するとしたとき，原子Bの座標を決定せよ．