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: II(95B) : 演習問題 : 演習問題   目次

I(ug95A)

  1. 固体の凝集機構の中から3つを,それらの代表的物質例とともに挙げて簡潔に説明せよ.【 $(4 + 1)\times3 = 15$点】
  2. 格子定数$a$の単純立方格子,体心立方格子,面心立方格子の諸性質をまとめよう.下表の空欄ア〜ケを満たせ.【$2\times9 = 18$点】

    表 8.1: 単純立方格子,体心立方格子,面心立方格子の諸性質
      単純立方格子 体心立方格子 面心立方格子
    通常の単位格子の体積 $a^{3}$ $a^{3}$ $a^{3}$
    単位格子あたりの格子点数
    最近接格子点数
    最近接格子点間距離

  3. 逆格子ベクトル $\mbox{\boldmath$K$}_{hkl}$の持つ以下の性質を証明せよ.【 $10\times2 = 20$点】
    1. 逆格子の原点から,$(h\ k\ l)$の座標の点に引いたベクトル $\mbox{\boldmath$K$}_{hkl}$は,ミラー指数$(h\ k\ l)$の格子面に垂直である.
    2. $\frac{\mbox{\boldmath$K$}_{hkl}}{2}$の長さは$(h\ k\ l)$面の面間隔の逆数に等しい.
  4. 単位格子あたり質量$M$の原子を1個もつ,平均の格子間隔$a$,長さ$Na$の1次元鎖がある.ここで最隣接原子間にのみ力が働き,鎖方向の原子の変位$u_{n}$に対して,原子間相互作用は以下の調和振動子型ポテンシャルエネルギーで記述できるとする.
    $\displaystyle U = {1 \over{2}}\sum_{n=1}^{N}\alpha(u_{n+1} - u_{n})^{2},$      

    但し$\alpha $ は力の定数であり, $u_{1} = u_{N+1}$とする.このときの格子振動の分散を求めて,図示せよ.【$10 + 5 = 15$点】
  5. 2次元自由電子系の状態密度を,スピンの自由度を考慮に入れて求め,そのエネルギー依存性について述べよ.但し必要であれば,系の面積を$S$,電子の質量を$m$,プランク定数を$\hbar$ $= \frac{h}{2\pi}$)とせよ.【$8 + 4 = 12$点】
  6. 自由電子モデルにおいて,総数$N$個の電子を収容したときのフェルミ波数$k_{\rm F}$とフェルミエネルギー $\epsilon_{\rm F}$を,スピンの自由度を考慮に入れて求めよ.但し必要であれば,系の体積を$V$,電子の質量を$m$,プランク定数を$\hbar$ $= \frac{h}{2\pi}$)とせよ.【 $10\times2 = 20$点】


Masashige Onoda 平成18年4月7日