電子のドブローイ波長以下の数ナノメートル(1nm = 10-9m)程度の固体では電子の波としての性質や粒としての性質、 すなわち量子性が顕になり、固体の電子物性はマクロなサイズの場合の電子物性とは大きく異なってきます。
このように電子の量子性がきいてくる 数ナノメートル程度の半導体(半導体量子構造)を主な研究対象とし、新しい現象や性質を見出すのが主要な研究目的です。半導体量子構造で起こる 新しい現象や性質を見出すには、光による応答を調べるのは最も有効な手法です。
光の位相を自由に制御するのがレーザー技術ですが、研究のアプローチとして、フェムト秒(1fs = 10-15s)レーザー、ピコ秒(1ps = 10-12s)レーザー、極めて単色性に優れたレーザーを用いて現象の発展を時間的に追跡したり、エネルギー的に追跡するのが当研究室でとっている手法です。
これらの現代の最先端のレーザーを用いることで、数ナノメートル程度の半導体中で起こっている電子の量子過程をフェムト秒の時間スケールで知ることができ、これが半導体量子構造で起こる新しい現象や性質を見出すの最も有効なのです。 |

半導体中に発光中心となる有用な不純物をドープして、発光材料として用いる事は古くから行なわれてきました。しかし、最近、不純物発光中心を一つだけ取り出して用いる事により、量子暗号に必要な単一光子の発生をはじめ、量子情報分野への新しい応用が可能である事が分かってきました。我々は、ガリウムリン(GaP)結晶中の単一窒素不純物発光中心を用いて、エネルギーの揃った単一光子発生を実証しました。
GaP:Nでは、リン原子(P)の一部が窒素原子(N)で置換され、その窒素原子に励起子が束縛されることで、バンドギャップ中に特徴的な鋭い発光線が現れます。さらに、近接した窒素原子が2つペアになったNN発光中心と呼ばれるものがあり、N-N間隔の異なるNN発光中心による鋭い発光線が10本程度知られています。マクロな数の発光中心による発光スペクトルが鋭いということは、一つ一つの発光中心のエネルギーが揃っているということを意味するので、これらの発光中心を使えば、エネルギーの揃った単一光子源が得られることになります。これは量子ドットを用いた単一光子源にはない特長です。
1原子層だけ希薄に窒素ドープしたGaP:N試料を用い、さらにN発光中心より密度の低いNN発光中心に着目することによって、図1のように発光中心の面密度を大幅に減らし、光学顕微鏡下での単一の発光中心の選別が可能になりました。図中で一つの輝点、すなわち一つのNN発光中心から放出される光子の強度相関を、Hanbury-Brown and Twiss (HBT)の装置で測定したところ、図2に示すような単一光子の発生を示すアンチバンチングがはっきりと観測されました。その後、ペアではなく窒素原子3つからなるNNNトリプレット発光中心を初めて単独で観測し、それによる単一光子発生も観測しました。今後、様々な不純物発光中心の光機能を単一の分光の観点から探り、もつれ合い光子対発生や2光子干渉などのより高度な応用に繋げていくことが期待されています。
[ 原論文 M. Ikezawa, Y. Sakuma, and Y. Masumoto, Jpn. J. Appl. Phys. 46, L871 - L873 (2007). ; M. Ikezawa, Y. Sakuma, M. Watanabe, and Y. Masumoto, Jpn. J. Appl. Phys. 48, 04C158-1~3 (2009). を参照ください ]
* より平易な説明がPressリリースとしてありますので、ご参照ください。
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図1 NN4発光中心の発光イメージ
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図 2 単一NN4発光中心からの単一光子発生を示すアンチバンチング |
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さらに、直接遷移型のバンド構造を持つGaAs中に窒素をドープする事によって、より短い発光寿命を持つ発光中心が得られることが分かりました。そのような発光中心からの光子を利用して、2光子干渉を起こすことにも成功しました。 [ 原論文 M. Ikezawa et al. Appl. Phys. Lett. 100, 042106 (2012). ; M. Ikezawa et al. Appl. Phys. Lett. 110, 152102 (2017). を参照ください。 ]
超高速レーザーパルスを用いたフォトンエコーは物質中の分極のコヒーレントな振る舞いを観測するのに極めて有用であり、物質中の励起子のコヒーレント緩和(位相緩和)や電子波束のコヒーレントな振動を観測するのに最適です。図3に示すようなヘテロダイン検出フォトンエコー測定法を開発しました。この方法は、2光束のレーザーパルスに 100MHz 程度の2つの周波数が異なる高周波で変調をかけ、この周波数の結合周波数成分で
フォトンエコー信号を検出する方式で従来のフォトンエコー測定に比べ1桁半の感度を有することが明らかになりました。ヘテロダイン検出フォトンエコー測定法により、単層の量子井戸や積層された量子ドットの励起子のフォトンエコー信号が測定できるようになりました。単層の歪み誘起 GaAs 量子ドットおよび電場をかけた単層の InP 量子ドットのヘテロダイン検出フォトンエコー測定に成功し、前者では量子井戸に比べ量子ドットでは励起子のコヒーレンス時間が長く、励起子分子の束縛エネルギーが増大することを明らかにし、後者では電場により電子のドープ量を変えることで
Pauli Blocking 効果、電場により正孔をトンネルで量子ドットから引き抜く過程による非マルコフ的減衰を初めて観測することに成功しました。数原子層のフォトンエコーが計測できるまでに進化した超高感度ヘテロダイン検出フォトンエコーは、今後、大幅に適用範囲を広げ、新しいレーザー分光学の発展になると期待されています 。 [ 原論文 M. Ikezawa, S.V. Nair, H.-W. Ren, Y. Masumoto and H. Ruda, Phys. Rev. B 73 , 125321 (2006) ; Y. Masumoto, F. Suto, M. Ikezawa, C. Uchiyama and
M. Aihara, J. Phys. Soc. Jpn. 74 (11), 2933-2936 (2005) を参照ください ]
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図3 超高感度ヘテロダイン検出フォトンエコー測定系
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図4 単層 GaAs 量子井戸と歪み誘起量子ドットにおけるフォトンエコー信号 |
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2つの違う振動数をもつ音叉を同時に振動させてうなりを観測すると、 2 つの違う振動数のわずかな差を捉えることができます。接近したエネルギーをもつ 2 つの励起子をコヒーレントに光励起すると、励起された2つの分極はわずかに異なる周波数でそれぞれ振動し、うなり ( 量子ビート ) が生じます。量子ビートから、励起子の間のわずかなエネルギー差を知ることができます。 量子ビート の研究から量子ドットのスピンに依存したエネルギー微細構造の知見も得られます。量子ドットに電子をドープすると電子のスピンによる磁場で励起子の縮退が解けて量子ドットではじめて見えるトリオン量子ビートも含めて、量子ドットでは 4 種類の量子ビートが観測できます。
専門的に言うとこれらは自己形成 InP 量子ドットや歪誘起 GaAs 量子ドットにおいてファラディー配置で円偏光をもちいて観測される bright 励起子のゼーマン分裂による量子ビート、ファラディー配置で励起と観測に同じ円偏光、直線偏光で観測される bright 励起子と磁場により部分的に許容となった dark 励起子の分裂による量子ビート、無磁場のとき直線偏光で観測されるトリオンの分裂による量子ビート、フォークト配置で円偏光をもちいて観測される電子のゼーマン分裂による量子ビートです。図5に当研究室で見い出された量子ドットにおける4種類の発光量子ビートがまとめて示されています。
このようにしてエネルギー微細構造が明らかになった量子ドット中のスピンの応用としては、スピンの長時間にわたる偏極を、量子情報の保存に用いることが有望と考えられています。量子ドットは、この中に電子が空間的に閉じ込められるので、バルク半導体中の電子スピンの主要な緩和機構が電子の局在性のため凍結し、スピン緩和が制約を受けるため、長いスピン緩和時間を持つと期待され、理論的にはミリ秒程度かそれより長い時間のスピン緩和時間が予測されています。量子情報処理には、光で制御できるので量子通信との整合性が良い III-V 族半導体量子ドット中の長いスピン緩和時間を持つ電子スピンが最も有用なのです。
近い将来、原子様”から“イオン様”にまで特性を自由に変えられる系―チャージチューナブル量子ドット―を舞台にこの中の少数多体系の(スピン)コヒーレンス、電子波束の運動、電子と核のスピン 緩和を明らかにし、かつ制御 する研究が進んでいくと期待できます。 [ 原論文 I.E. Kozin, V.G. Davydov, I.V. Ignatiev, A.V. Kavokin, K.V. Kavokin, G. Malpuech, H.-W. Ren, M. Sugisaki, S. Sugou and Y. Masumoto, Phys. Rev. B 65 , 241312(R) (2002) ; K. Nishibayashi, T. Okuno, Y. Masumoto and H.-W. Ren, Phys. Rev. B 68 , 035333 (2003) ; M. Ikezawa, B. Pal, Y. Masumoto, I.V. Ignatiev, S.Yu. Verbin and I.Ya. Gerlovin, Phys. Rev. B 72 , 153302 (2005) を参照ください ]
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量子ドットのサイズはナノメートルと大変に小さいので、この小さな空間に一つ電子がいるだけでかなり高密度になります。二つ電子があるとその間に働くクーロン相互作用は距離が近いので無視できない大きさになります。半導体を光で励起すると電子と正孔(ホール)の対ができますが、この間にはクーロン引力が働き励起子と呼ばれる水素原子様の粒子ができます。この励起子を量子ドットに一つ、二つと作ると互いのクーロン相互作用により、量子ドット中にある励起子の数に応じて新たに励起子を作るエネルギーは変わることが予想されます(図6)。 1997 年に当研究室ではこの現象を鮮やか観測し、量子ドット中にのみ存在する
反対称2励起子状態、3励起子状態の実在を証明いたしました(図7)。この発見は一つの光子を用いて量子ドットのエネルギーを制御できることを示しており、量子ドットを光スイッチに応用する際の基礎を与えるものです。量子ドット中の多励起子やイオン化励起子の問題は量子ドット研究の最も最前線の研究課題になっています。 [ 詳しい解説が舛本泰章:日本物理学会誌 54 , 431 (1999) にあります。 また原論文 M.Ikezawa,Y.Masumoto,T.Takagahara and S.Nair, Phys.Rev.Lett. 79 , 3522 (1997) を参照ください ]
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図6

図7
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光を吸収して半導体量子ドットのエネルギーが変わり、吸収スペクトルが消失したり、間欠的に発光する現象が観測されています。前者は、永続的ホールバーニングとして吸収スペクトル中に穴が開きこれが長時間保持される現象(図8)として、 1993 年に当研究室で発見されました。後者は発光がランダムにオンとオフになるテレグラムノイズの様なふるまい(図9)として現れます。固体中に埋めこまれた分子の分光において知られてきたこうした現象が量子ドットでも起こることは、量子ドットが分子と同様に極めて外界の影響を受け易い事を示しています。
最近発見されたこれらの量子ドットの不思議なふるまいは、量子ドットのイオン化と周囲へのキャリアーのトラップにより説明できますが、根本にあるのは量子ドット周辺と量子ドットという狭い空間に閉じ込められた少数電子・正孔間に大きな相互作用が働くことで、量子ドット中の多励起子やイオン化励起子の問題と
も密接に関連しています。 [ 詳しい解説が舛本泰章:日本物理学会誌 54 , 431 (1999) 、杉崎満、舛本泰章:固体物理 35 , 335 (2000) にあります。 また総説論文 Y.Masumoto, J.Lumin. 70 , 386 (1996) ; 原論文 M.Sugisaki,H.-W.Ren,K.Nishi and Y.Masumoto, Phys.Rev.Lett. 86 , 4883 (2001) を参照ください ]
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図8 |
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図9 |

量子ドットは離散的なエネルギーをもつため、電子のエネルギー緩和やコヒーレンスの緩和(位相緩和)は連続的なエネルギーをもっているバルク結晶とは大きく異なってきます。
こうした特徴は、ピコ秒やフェムト秒のレーザーを用いた時間分解分光やフォトンエコーにより時間的に追跡して調べることができます。こうした研究で得られた知見は量子ドットを量子ドットレーザーや超高速スイッチ、
量子コンピューター素子として応用するときには大変重要になってきます。当研究室では、 1999 年に極低温で 1.3 ns と世界一長いコヒーレント緩和時間を量子ドットにおいて見出しました(図10)。フェムト秒のコヒーレント制御の研究が進むと
超高速スイッチや量子コンピューター素子として利用されることが期待されます。 [ 簡単な解説が舛本泰章:パリティ Vol. 15 , No.12, 82 (2000) 、舛本泰章:日本物理学会誌 54 , 431 (1999) にあります。 また原論文 M.Ikezawa and Y.Masumoto, Phys.Rev.B 61 , 12262 (2000) を参照ください ]

図10
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電子の波動関数や格子振動(フォノン)のコヒーレントな(位相を揃えた)制御が最近のフェムト秒の物理学で可能になっています。当研究室では、 1992 年にアリゾナ大学との国際共同研究により
BiI 3 でのコヒーレントフォノンの観測に成功して以来、 1994 年に超格子でのゾーン折り返しモードのコヒーレントフォノン振動の観測に成功(図11)、フォノンをコヒーレント制御するための高精度パルス列発生の成功など、
フェムト秒のコヒーレント制御の研究を牽引してまいりました。最近では量子井戸中の励起子波動関数のコヒーレント制御にも成功し、光のパルス長によってのみ制限されるコヒーレント制御光スイッチの実現に道をつけました(図12)。
電子の波動関数のコヒーレント制御にはフェムト秒のパルス列を 1/100 フェムト秒程度の極限的な精度で生成する必要がありますが、当研究室では、独自な方法で高精度フェムト秒パルス列の生成に成功しました。 [ 原論文 A.Yamamoto,T.Mishina,Y.Masumoto and M.Nakayama, Phys.Rev.Lett. 73 , 740 (1994) を参照ください ]

図11

図12
平成 11 年度 (1999.4〜2000.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒コヒーレント分光、時間分解分光
<テルルにおける格子振動の異方的ソフトニング現象>
<半導体ナノ構造におけるコヒーレントキャリア制御>
<低温成長 GaAs/AlAs 多重量子井戸における励起子吸収飽和の過渡特性>
2.ワイドギャップ III 族窒化物半導体の光物性
< InGaN/GaN 量子井戸構造におけるアンチストークスフォトルミネッセンス>
3.半導体量子点の光物性
<半導体量子点における励起子の均一幅広がりのメカニズム>
< CdSe 量子点における励起子の均一幅の起源>
< NaCl 中の CuCl 量子点における輝尽発光>
< NaCl 中の CuCl 量子点における励起子状態と形状>
<燐酸ガラス中の PbSe 量子点の作製と粒径の決定>
< PbSe 量子点における緩和時間のサイズ依存性>
< InP Stressor により量子井戸に形成される GaAs 量子ドット>
科学技術振興事業団創造科学技術推進事業 ― 単一量子点プロジェクトでの研究
科学技術振興事業団創造科学技術推進事業 ― 単一量子点プロジェクトでの研究(1995年10月から2000年9月まで)が舛本泰章を総括責任者として、つくば市東光台の筑波研究コンソーシアムを拠点として行われ、多くの成果を得ました。
平成 12 年度 (2000.4〜2001.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<グラファイト層間化合物におけるコヒーレント・フォノンの研究>
< Be をドープした低温 MBE 成長 GaAs/AlAs 多重量子井戸における光非線形性とその時間応答>
2.半導体量子点の光物性
< CdSe 量子点の極低温における蓄積フォトンエコー>
< CuCl 量子キューブにおける励起子−フォノン結合状態>
< CuBr と CuI 量子点における LO フォノンモードと励起子状態 >
<紫外光照射における CuCl 量子点の光スペクトルの異常>
< NaCl 中の CuCl 量子点における電場変調光スペクトル>
< PbSe 量子点のコヒーレントフォノンとラマン散乱>
< PbSe 量子点におけるバンド内遷移>
<歪み誘起 GaAs 量子点の非線形発光>
< CdTe 自己形成量子点におけるサイト選択分光>
<科学技術振興事業団創造科学技術推進事業−単一量子点プロジェクトでの研究>
平成 13 年度 (2001.4〜2002.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
< MBE 成長 GaAs/AlAs 多重量子井戸における光非線形応答の Be による制御>
2.半導体量子点の光物性
<低温における半導体量子点の普遍的な位相緩和メカニズム>
<紫外光照射における CuCl 量子点の光スペクトルの異常>
<半導体量子点の音響型コヒーレントフォノン>
<量子点の量子ビート>
< InP 量子点の量子ビート>
<歪み誘起 GaAs 量子点の量子ビート>
< CdTe 自己形成量子点における共鳴励起発光>
<科学技術振興事業団創造科学技術推進事業−単一量子点プロジェクトでの研究>
3.半導体ナノワイヤーの光物性
平成 14 年度 (2002.4〜2003.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<光ヘテロダイン検出を利用した半導体量子構造からの高感度 FWM 信号検出>
<低温成長 Be ドープ GaAs における高速かつ広帯域の光非線形応答>
2.量子ドットの光物性
< CuBr 量子点における LO フォノンのソフトニング>
<量子ドットの発光の示す4種類の量子ビート>
< GaAs 量子点の量子ビート>
< Spin optical polarization in negatively-charged InAs/GaAs quantum dots >
< Optical Studies of Self-Assembled CdTe Quantum Dots >
3.新しいナノ構造の探求
< ZnO 単一ナノベルトの室温励起子レーザー発振>
< 200kV 高分解能透過電子顕微鏡 (JEM-2010F) の立ち上げ状況>
平成 15 年度 (2003.4〜2004.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<光ヘテロダイン検出による半導体量子構造からの高感度 FWM 信号検出:歪誘起 GaAs 量子ドットのフォトンエコー>
<電場下の InP 量子ドットにおけるフォトンエコー>
< In x Ga1-xAs/In 0.52 Al 0.48 As 歪量子井戸構造における光吸収飽和特性>
2.量子ドットの光物性
<半導体量子点におけるスピン緩和に関する研究>
<歪誘起 GaAs 量子ドットの円偏光レーザー分光>
<歪誘起 GaAs 量子ドットにおけるスピン量子ビート>
<電子がドープされた InP 量子ドットの示す長時間スピン偏極>
<電子ドープ基板から離れた量子ドットにおけるっプラズモン― LO フォノン結合モードの観測とエネルギー緩和への影響>
< CdSe/ZnS 量子ドットのフォノン>
<電子ドープ InAs 量子ドットの円偏光メモリー>
< CdTe 量子ドットにおけるスピン緩和>
3.新しいナノ構造の探求
< ZnO 単一ナノベルトの室温励起子レーザー発振の空間分解分光>
<(チオフェン / フェニレン)コオリゴマー結晶の低温における光物性>
<単層カーボンナノチューブの作製と力学特性解析>
平成 16 年度 (2004.4〜2005.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<光ヘテロダイン検出による半導体量子ドットからの高感度 FWM 信号検出: GaAs 量子ドットおよび InGaAs 量子ドット>
<電場下の InP 量子ドットにおけるフォトンエコー>
<フェムト秒時間分解発光測定系の構築>
2.半導体量子ドットのスピン光物性
<半導体量子点におけるスピン緩和に関する研究>
<半導体量子ドットのスピンダイナミクス>
<半導体量子ドット中の核スピンによる電子スピン緩和>
3.新しいナノ構造の探求
<(チオフェン / フェニレン)コオリゴマー単結晶の自然放射増幅光と光励起レーザー発振>
<(チオフェン / フェニレン)コオリゴマー単結晶の光学スペクトル>
<複合型顕微鏡法による単層カーボンナノチューブの電気伝導特性解析>
平成 17 年度 (2005.4〜2006.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<CuBr量子ドットのコヒーレントフォノンとラマン散乱>
<InP単層量子ドットのヘテロダインフォトンエコー>
<歪誘起GaAs量子ドットにおける励起子−励起子分子量子ビート>
<離散的な高さ分布をもつInAs量子ドット系の時間分解発光測定>
<光による希薄磁性半導体の磁化制御の可能性探索とその観測手段としての時間分解磁気光学測定系の構築>
2.半導体量子ドットのスピン光物性
<2個の電子または正孔をドープされたInAs量子ドット中のスピン緩和>
<電子ドープInP量子ドット中のサブミリ秒の電子スピン緩和時間>
<InP量子ドットにおける動的核スピン分極>
<電子ドープInP量子ドット中の電子スピンのコヒーレンス時間>
<超高分解能時間分解光誘起カー回転測定法の開発と単層量子ドット中のスピンダイナミクスの研究>
<GaAsN混晶のスピン依存発光>
<半導体試料表面上のナノスケール構造電極の作製>
3.単一量子ドットの分光研究
<等電子トラップによる単一光子源の研究>
<InP単一量子ドットの励起子・励起子分子の光学異方性>
4.新しいナノ構造の探求
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶の励起子光学遷移>
<カーボンナノカプセルのその場電子顕微鏡観察>
平成 18 年度 (2006.4〜2007.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<ディスク状InAs/InP量子ドットにおける励起子輻射再結合過程の研究>
2.半導体量子ドットのスピン光物性
<InP量子ドットにおける動的核スピン分極>
<チャージチューナブルInP量子ドット中の電子スピンの緩和時間>
<GaAsN混晶のスピン緩和>
<チャージチューナブルInP 量子ドットにおけるスピン緩和と円偏光フォトルミネッセンス>
3.単一量子ドットの分光研究
<InP/InAs/InPコアマルチシェル型ナノワイヤ光物性>
<単一InP 量子ドットの光スペクトル ― 偏光特性と磁場特性 ―>
<GaP:N等電子トラップからの単光子発生>
<単一半導体量子ドットの発光自己相関測定による位相緩和過程の観測>
4.新しいナノ構造の探求
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶のリング状マイクロレーザー>
<フラーレンナノカプセルの合成と力学特性解析>
平成 19 年度 (2007.4〜2008.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体におけるフェムト秒、ピコ秒時間分解分光
<ディスク状InAs/InP量子ドットにおける励起子輻射再結合過程の研究>
2.半導体量子ドットのスピン光物性
<InP量子ドットにおける動的核スピン分極>
<チャージチューナブルInP量子ドット中の電子スピンの緩和時間>
<チャージチューナブルInP 量子ドットにおけるスピン緩和と円偏光フォトルミネッセンス>
3.単一量子ドットの分光研究
<GaP:N等電子トラップからの単光子発生>
<半導体単一量子ドットにおける温度上昇にともなう励起子線幅先鋭化>
<CdTe/ZnTe量子井戸、量子ドットにおけるスピンダイナミクスの研究>
4.新しいナノ構造の光物性
<InP/InAs/InPコアマルチシェル型ナノワイヤ光物性>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶の励起子光学遷移>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶のリング状マイクロレーザー>
平成 20 年度 (2008.4〜2009.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体量子ドットのスピン光物性
<中性のInP量子ドット中の励起子のスピン>
<量子ドット中の電子と正孔の交換相互作用>
<1電子をドープされたInP量子ドットの負の円偏光度>
<チャージチューナブルInP量子ドットにおけるピコ秒スピンダイナミクス>
<CdTe/ZnTe量子ドットにおける電子のg 因子の異方性の観測>
<Cd1-xMnxTe/ZnTe自己形成量子ドットにおける電子スピンダイナミクス>
<GaAsN中の電子のg 因子の符号>
2.単一量子ドットの分光研究
<単一GaP:N等電子トラップからの単光子発生と分光>
<単一量子ドットにおける温度上昇にともなう励起子線幅先鋭化間>
3.新しいナノ構造の光物性
<ウルツ鉱型InP/InAs/InPコアマルチシェル型ナノワイヤ光物性>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶を用いたマイクロレーザー作製プロセスの研究>
平成 21 年度 (2009.4〜2010.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体量子ドットのスピン光物性
<量子ドット中のドープされた電子スピンへの書き込み機構―スピン量子メモリーの研究>
<時間分解カー回転法による伝導電子のg因子の符号の決定>
<ZnO薄膜における電子スピンダイナミクス>
2.単一量子ドットの分光研究
<単一GaP:N等電子トラップの原子配置>
3.新しい半導体ナノ構造
<ウルツ鉱型InP/InAs/InPコアマルチシェルナノワイヤの光学的性質>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶を用いたマイクロレーザー作製プロセスの研究>
<CdS/CdZnS/ZnSマルチシェルで覆われたCdSe量子ドットの合成と発光>
<MnS/ZnSコア/シェル量子ドット中のMn2+イオンの高効率発光>
平成 22 年度 (2010.4〜2011.3) 研究テーマ一覧 (詳しくは 年次研究報告 を参照下さい)
1.半導体量子ドットのスピン光物性
<時間分解カー回転法による伝導電子のg因子の符号の決定>
<ZnO薄膜における電子スピンダイナミクス用>
<光パルスの強度・偏光による量子ドット中の電子スピンの制御>
2.単一量子ドットの分光研究
<単一GaP:N等電子トラップの磁気分光>
3.新しい半導体ナノ構造
<通信波長帯に近いInAs/InP量子ドットの励起子分子の大きな束縛エネルギー>
<ウルツ鉱型InP/InAs/InPコアマルチシェルナノワイヤの光学的性質>
<単一ウルツ鉱型InP/InAs/InPコアマルチシェルナノワイヤーの偏光ルミネッセンス>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー結晶を用いたマイクロレーザー作製プロセスの研究>
<(チオフェン/フェニレン)コオリゴマー分子を用いた微少共振器の研究>
<伝導性ポリマーからCdSeコアシェル量子ドットへのエネルギー移動>
<MnS/ZnSコア/シェル量子ドット中のMn2+イオンの高効率発光>
上記の研究は 日本学術振興会科学研究費 基盤研究(S)( 2001 年 4 月から 2006 年 3 月まで)、 基盤研究(A) ( 2006 年 4 月から 2008 年 3 月まで)、 基盤研究(A) ( 2008 年 4 月から 2010年3月まで )、 基盤研究(B) ( 2011 年 4 月から 2014 年 3 月まで )、 挑戦的萌芽研究 ( 2011 年 4 月から 2013 年 3 月まで )、 特定領域研究ナノスピン ( 2003 年 4 月から 2006 年 3 月)や 未来開拓学術研究推進事業 ( 1997 年から 2003 年 3 月まで)、 筑波大学革新的研究等支援プログラム(パイロットモデル) ( 2011 年 1 月から 2012年 3 月まで )プロジェクトによってもサポートされてきました。また、日ロ、日仏ロ、日印( 情報通信研究機構国際共同研究 )( 2005 年 7 月から 2010 年 3 月まで)、日韓( 日本学術振興会 日韓共同研究)( 2006 年 7 月から 2008 年 6 月まで )の国際共同研究や、国内では産業技術総合研究所、物質材料研究機構をはじめ、多くの大学との共同研究が随時行なわれております。

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