: オームの法則
: 定常電流
: 定常電流
電位の異なる二点間を導線でつないだとき,正の電荷が相対的に高い電位の点から低い電位の点に移動することを「電流」とよぶ.ただし実際に流れるのは電子であるから,電流の方向は電子の流れの方向とは反対向きである.また,導線の一つの切り口を単位時間に通過する電気量は「電流の強さ」に対応し,その単位はA(アンペア;1 [A] = 1 [Cs
])である.特に,単位面積の断面を通過する電流の強さを「電流密度」とよび,
(
)と書く.
電流密度の空間的分布の様子が時間的に変動しない電流を「定常電流」と呼ぶ.定常電流の場合,ある閉曲面
曲面により囲まれた領域
の内部に,単位時間に流れ込む電荷の総量は,その時間に領域
から流れ出て行く電荷の総量に等しい.これを「定常電流の保存則」という.
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(2.1.1) |
図2.1に示すように,閉曲面
に外向きに立てた単位法線ベクトルを
で表すと,
上では
=
,
上では
= -
である.側面上では
(
)
(
) = 0であるので,
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(2.1.2) |
を得る.ここでガウスの定理を用いれば,
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(2.1.3) |
となる.
は任意にとれるので,
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(2.1.4) |
を得る.
Masashige Onoda
平成18年4月15日