そこで外から電流を注ぎ込むとどうなるであろうか?たとえば磁場の方向を軸にとり,
方向に電流
が流れているとする.
方向に電流ができるためには,磁束線は
方向に向かってだんだん濃くなっていなければならない.別の見方をすると,マクスウェル方程式より
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磁束密度にこのような不均一があると,これを元へ戻そうとする力が働く.それは磁場のエネルギー
をなるべく小さくするように働き,
一方磁束線は,半径の部分が常伝導になっているから,金属中に常伝導になりやすい部分があると,そこにつかまってしまい,そこからなるべく離れまいとしている.金属中には不純物や転位などいろいろな格子欠陥が存在するが,この格子欠陥こそ常伝導になりやすい部分だと考えられる.つまり磁束線は,格子欠陥のある所を通り,なるべくそこに留まろうとする.いいかえると磁束線の中途で,所々がピンで止めてあると考えてよい.このピンで止めてある力を平均として
と書くと,
のうちはピンから抜けずに磁束線は動かない.しかし
になると,ピンから外れて磁束線は動き出す.
磁束線が動き出すと,それは常伝導の部分からできているので,抵抗を受けると考えられる.この抵抗力が速さに比例すると考えると,磁束線の速さ
は
磁束線が動くと,電磁誘導の法則により電場ができる.方向に向いた磁束線が
方向に動くから,電場は
方向にでき,その大きさは
(7.10.26),(7.10.25)式を用いて,(7.10.27)式を書き直すと
(7.10.28)式はの方向に電場
ができていることを示しており,見かけ上