実験物理と計算機

３学期	Fortran Tips 1
参考書	「Unix計算機を使った物理学実験」（新井/板倉） 第１章、プログラムの構成 戻る 次へ

１-１、FORTRANプログラムの構成

FORTRANのプログラムは

• １つのメインプログラム
• 任意の数のサブルーチン、関数、ブロック・データ

によって構成される。

メインプログラム

1. プログラム実行の主単位
   実行時、最初に呼ばれる
2. 副次単位（サブルーチンや関数）の呼び出し（CALL文）を含む
3. PROGRAM文（省略可）で始まり、END文で終わる
   例
   PROGRAM name
   ...
   CALL SUB1(A1,A2)
   ...
   CALL SUB2(B1,B2,B3)
   ...
   VALUE=FUNC(C1,C2,C3,C4)
   ...
   END
   

サブルーチン

1. プログラム実行の副次単位
   プログラムの階層化；情報の隠蔽化
2. 他のサブルーチンや関数を含む
3. SUBROUTINE文で始まり、途中にRETURN文を含み、END文で終わる
   例
   SUBROUTINE name(arg1,arg2,...)
   ...
   ...
   RETURN
   ...
   END
   

関数

1. プログラム実行の副次単位
   プログラムの階層化；情報の隠蔽化
2. 他のサブルーチンや関数を含む
3. FUNCTION文で始まり、途中にRETURN文を含み、END文で終わる
   例
   FUNCTION name(arg1,arg2,...)
   ...
   ...
   RETURN
   ...
   END
   

ブロック・データ

1. プログラム実行の副次単位
   プログラムで使う共通変数の初期値設定
2. COMMON文、DATA文の集まり；実行文を一切含まない
3. BLOCK DATA文で始まり、END文で終わる
   例
   BLOCK DATA
   COMMON /ALPHA/... DATA A/...
   ...
   ...
   END
   

１-２、プログラム書法 -基本の「き」-

コラム（桁）の使い方

1. 各行の左端から順に第１コラム - 第７２コラムまでが有効。
2. 第1コラム - 第６コラムは用途が予約済み。
   • 第１カラムが（大）文字のCの場合、注釈行となる。
   • 第６コラムが空白でない場合、直前の行の続きとなる。
   • 必要に応じて、第１コラム - 第５コラムには文番号を書く。

注釈行について

1. プログラムには注釈が不可欠。
2. FortranやCなどの高次言語では、プログラム自体が注釈。
3. いずれにしても、注釈は必要最小限にとどめる。

プログラムを読みやすくする工夫

1. 変数名、関数名、サブルーチン名は分かりやすいものにする。
2. 字下げをして、ブロック構造をはっきりさせる。

１-３、簡単なFORTRANプログラムの作成/実行

"Hello World!"を印刷するFORTRANプログラム

メインプログラム（ファイル名：h_world.f）

PROGRAM   h_world
WRITE(6,*)   "Hello   World!"
STOP
END

各行とも先頭７桁は空白（FORTRANの規則！）

コンパイル（実行コードへ翻訳）

%f90   h_world.f   -o   h_world

実行

%./h_world

Hello   World!