実験物理と計算機

3学期 第10回 戻る 次へ

参考書
Unix計算機を使った物理学実験」(新井/板倉)
50〜52ページ
第7章、分子運動論/ブラウン運動

7-5、ブラウン粒子の運動

ブラウン運動とは?

  1. 1827年 ロバート・ブラウンが発見
    水に浮かんだ花粉の<運動>;当時原因は理解できなかった
  2. 花粉以外の微粒子でも観察
  3. 1905年 アルバート・アインシュタインによる理論的基礎付け
    水の分子との衝突によって起る現象;原子の存在を示す証拠
  4. 確率過程としての物理現象
    ランダムな駆動力の存在;ニュートン的世界と対照的なもう一つの世界

ブラウン運動の特徴

  1. ミクロには確率過程として把握;<加法過程>
    酔歩に類似
  2. 自己相似性を示す
    一部を拡大すると(確率的な意味で)全体と同じになる
  3. 軌道はフラクタル
    <ハウスドルフ次元>や<情報次元>
  4. スケーリング則:<r2(t)>=2Dt
  5. マクロには、拡散方程式によって記述
    アインシュタインは拡散方程式の原子論的基礎をはじめて与えた
  6. アインシュタインの関係
    揺動散逸定理

7-6、研究課題III -気体中のブラウン粒子の運動-

数値解法のヒント

  1. 気体中の煙の粒子(半径4.4nmの炭素ナノ粒子)
  2. 幾何学的衝突断面積
  3. 平均衝突時間dt内に一回衝突
  4. 気体分子の速度は温度Tのボルツマン分布に従う
  5. 衝突は時間dt内でランダムに起る
  6. t=100000dtまで追跡