物理学BII

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参考書
「電磁気学II」 11.電流と磁場 (1-13ページ)
「物理学の基礎[3]」 29 磁場 (137-161ページ)

11-1 緒言

磁石の発見

  1. 天然の磁鉄鉱(Fe3O4
    →鉄を吸引する。
  2. 古代中国では「慈石」と呼ばれた
    ¶ 「韓非子」(紀元前3世紀頃の文献) に方位磁針の記述
  3. 古代ギリシャのマグネシア地方で産出
    哲学者タレスが命名「 マグネット」(紀元前6世紀頃)
    ¶ 羊飼いの少年が杖の先(鉄製)を引き付ける石を発見
  4. 磁鉄鉱と鋼鉄片を摩擦
    →鋼鉄片が新たな磁石になる;<磁化

磁荷

  1. 磁化はある種の物質(磁荷)が移動した結果
  2. 磁荷は極性を持つ
    →磁気/磁極
  3. 2種類の磁極
    北(N)極南(S)極

クーロンの法則

  1. 同名の磁気間には斥力が働く
  2. 異名の磁気間には引力が働く
  3. 力の強さは磁荷に比例
    ¶ 磁荷の単位はウェーバー:Wb
  4. 力の強さは距離の2乗に反比例(逆2乗則)
  5. 磁気に関するクーロンの法則(1785年;クーロン)

磁場

  1. 磁荷は磁場を作る
    ¶ 磁場の単位はアンペア・ターン・パー・メートル:AT/m
  2. 磁場の強さの定義
    ¶ 磁場中の単位磁荷(1Wb)に働く力のベクトル
OHP-5

磁場と電場

  1. 磁気と電気の類似性
    ¶ <電場>と<磁場>、<電荷>と<磁荷>、クーロンの法則
  2. 磁気と電気の根本的な違い
    ¶ 単極が存在しない
  3. 環状電流と磁荷の等価性
OHP-6

11-2 直線電流の間の力

定常電流間の力(実験事実)

  1. 電流間に力が働く
  2. 力の方向
    電流にたいして常に垂直方向
  3. 力の大きさ
    それぞれの電流の大きさに比例

電流素片

  1. 基本要素としての電流素片
  2. 電流素片同士に働く力
  3. 電流素片はベクトル量
  4. ベクトル対ベクトルの相互作用
    やや複雑な数学的表現が必要

十分に長い直線電流 -特別な場合-

  1. 単位長さあたりの力f
  2. f電流に比例し距離に反比例
  3. 比例係数km
  4. 平行の電流間は引力
  5. 反平行の電流間は斥力
OHP-7

11-3 電流の単位

MKSA単位系

  1. 電流の単位はアンペア(A)
  2. 電流が基本単位
  3. 1m離れた平行導線に1Aの電流を流したときに働く力
    1mあたり、2×10-7N(ニュートン)
  4. km0/4π
  5. 真空透磁率μ0=4π×10-7

電磁単位系

  1. 電流の単位はCGSemu
  2. 比例係数kmが基本単位
    km=1
  3. 1cm離れた平行導線に1CGSemuの電流を流したときに働く力
    1cmあたり、1 dyne(ダイン)
  4. CGSemuは派生単位
    [km]-1/2cm 1/2g1/2s-1
OHP-8

11-4 磁束密度

作業仮説(電気との類似)

  1. 電流i1はその周りに磁場を作る
  2. 磁場中の電流i2はi1磁場 から力を受ける
  3. 相互的関係
    ¶ 電流i1はi2の磁場から力を受ける

磁束密度

  1. 電流素片に基づく磁場を表現
  2. i1の作る磁束密度:B1
    ベクトル量
  3. ベクトル積による力の表現
    f = i2ds× B1

fBおよびi -いくつかの特徴-

  1. f|は|B|と|i|に比例
  2. iと-iが受ける力は、大きさが等しく反対向き
  3. iBと同じ方向のとき、fはゼロ

OHP-9
電磁気学のためのベクトル入門7OHP-10

宿題

提出フォーム

磁石の歴史

磁石の歴史について、文献やインターネットで調べてみよ。
  1. 古代ギリシャと中国
  2. 近現代(19世紀以降)