Y-Ba-Cu-O系酸化物は当初幾つかの化合物からなる混合相であったが,その後YBaCu
O
が超伝導物質であり,その
は90 [K]であることが明らかになった.層状ペロブスカイト構造を基本とする酸化物超伝導体はその後も続々と発見されるとともに,
の値は更新を続け,Bi-Sr-Ca-Cu-O系(115 [K]),Tl-Sr-Ca-Cu-O系(125 [K]),Hg-Ba-Ca-Cu-O系(圧力下157 [K])などが発見された.図13にYBa
Cu
O
(
)の結晶構造を示す.
超伝導という現象は,抵抗ゼロ,マイスナ−効果,磁束の量子化,ジョセフソン効果などという目ざましい特徴を持つ.マイスナ−効果は,「超伝導体を磁場
のなかに置くと,その物体の内部での磁束密度
がゼロとなる」現象をさす.すなわち,磁化を
とおくと,
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マイスナ−効果をYBaCu
O
焼結体を試料に用いて眺めてみよう.また時間があれば
の試料に対しても実験を行い,酸素濃度に対してマイスナ−効果がどのように変化するかを捉えてみよう.