鉄の心にコイルを巻いた電磁石の場合も,磁石のものとよく似た磁力線ができる.コイルは中に鉄心が入っていなくても,電流を流すと磁石になるので,鉄心は,コイルによる磁力線の通っている場所に置かれていることになる.すなわち鉄心が磁石になることを意味する.コイルに流す電流を大きくしていくと,電磁石の強さも強くなるだろう.電磁石の強さとは,コイルの心になっている鉄が磁化されてできた磁石の強さのことである.
電流をどんどん増やしていけば,鉄心の磁化はどこまでも強くなっていくのだろうか.実はそうではない.磁石の強さは,コイルの電流が小さい間はあまり強くない.電流がある程度大きくなると,磁石の強さは急に増しはじめる.しかし,電流がある大きさになると磁石の強さは頭打ちになり,その後は電流をいくら大きくしても,磁石の強さは変わらなくなる.このことを磁石の強さが飽和したという.