物理学BI

1学期 第6回 戻る 次へ

参考書
「電磁気学I」 5.導体系(その1) (106-117頁)
「物理学の基礎[3]」 25 電位 26電気容量 (発展学習)
「物理学 III」 26容量および誘電体 (発展学習)

5-1 電気鏡像

電気鏡像法

  1. ポアソン方程式の図式的特殊解法
  2. 特殊解=一般解  <単一解の定理>
  3. 鏡像電荷(電気鏡像)を推定  <導体表面での境界条件>
    導体表面は等電位面
  4. E  =  E真電荷+E鏡像電荷
  5. 解は導体外部でのみ有効
  6. 導体表面の電荷分布  表面付近の電場 から分かる
OHP-1

無限に広い接地導体平面と点電荷+q  -解法の例-

  1. 境界条件
    • 点Aに点電荷+q
    • 平面上 電位V=0(接地)
    • 無限遠 電位V=0
  2. 解法とその結果
    • 平面について面対称な点A'に鏡像電荷-q
      ¶ 対称性より、平面上のすべての点Pで電位ゼロ
    • E  = E+q +E-q
    • 電場は平面に垂直
    • 電場の大きさは距離APの3乗に反比例
OHP-2

5-2 点電荷と接地導体球

半径Rの接地導体球と点電荷+q

  1. 境界条件
    • 点Aに点電荷+q
    • 球面上:電位V=0(接地)
    • 無限遠:電位V=0
  2. 解法とその結果
    • 点Aと中心Oを結ぶ直線上の点A'に鏡像電荷-q'
    • AP:A'P=q:q'となる点Pで電位ゼロ
    • 点Pはアポロニウスの球面を作る
    • d=R2/D
      ¶ ここで、AO=DおよびA'O=d
    • q'=(R/D)q
OHP-3 OHP-4 OHP-5

5-3 点電荷と絶縁導体球

半径Rの絶縁導体球と点電荷+q

  1. 境界条件
    • 球面上:電位V=一定
    • 無限遠:電位V=0
  2. 解法とその結果
    • 接地導体球のときと同じ電気鏡像-q'を置く
    • 中心Oに電気鏡像+q"を置く
    • 導体表面の電位はq"/(4πε0R)(=一定)
    • 導体球上の初期電荷はq"-q'(電荷の保存則)
OHP-6 OHP-7

5-4 導体上の電荷密度

定理1

各導体の電位が与えられると、各導体の表面電荷密度が一義的に決まる

定理2

各導体の全電荷が与えられると、各導体の表面電荷密度が一義的に決まる
OHP-8

5-5 コンデンサー

二つの導体系の特別な場合

  1. 電気力線  「導体Aから出て導体Bで終わる」
  2. AおよびBの電荷はそれぞれ+Qおよび-Q
    ¶ 電荷は符号が反対で大きさが等しい
  3. AB間の電位差Vと電荷Qは比例
  4. 電気容量C (比例係数)
    Q=CV
  5. コンデンサー/キャパシター/蓄電気
OHP-9

宿題

提出フォーム

電気鏡像法の応用

接地された導体内部に半径Rの球状空洞がある。空洞の中心Oから距離d(< R)の点Aに電荷+qを置いた。以下の問いに答えなさい。
  1. 電気鏡像法で電位を求めたい。鏡像電荷-q'の位置と大きさを 求めなさい。
    ヒント: 接地導体球の場合と同様に アポロニウスの円を考える。鏡像電荷-q'は線分OAの延長上の導体 内にある。
  2. 点Oを座標原点とし、点Aをx軸上にとるとき、空洞内の点P(x, y, z)における電位を求めなさい。また、導体表面がゼロ電位に なっていることを示しなさい。
    ヒント: 電荷+q、鏡像電荷-q'のそれ ぞれが点P(x, y, z)に作る電位の和が求める電位。
  3. 空洞内の点P(x, y, z)における電場を求めなさい。
    ヒント: 問2で求めた電位のグラ ディエントを計算する。
  4. 電荷+qが導体から受ける力を求めなさい。
    ヒント: 空洞内の電場は、導体がなくて 鏡像電荷-q'だけがある場合と同じなので、電荷+qと鏡像電荷-q'の引き 合う力だけを考えればよい。