物理学BI

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参考書
「電磁気学I」 5.導体系(その2) (117-130頁)
「物理学の基礎[3]」 26 電気容量 (73-94頁)
「物理学 III」 26容量および誘電体 (732ー746頁)

5-6 平板コンデンサー

平行平板コンデンサーの原理

  1. 構造
    • 2枚の導体の平行平板A、B(面積S)
    • 間隔d(« S)
  2. 境界条件
    • A上に電荷+Q
    • B上に電荷-Q
    • VB=0(接地)
  3. 電気力線  面に垂直(AからBへ)
    ¶ 端の影響は無視
  4. 表面電荷密度  等しく、符合が逆
  5. 電場  AB間にだけ局在
  6. 静電容量
OHP-1 OHP-2

過渡現象  -RC直列回路の例-

  1. 初期条件
    • コンデンサーの電位差 V(0)=V0
  2. 基本的関係式
    • 関係1 Q=CV
    • 関係2 V=iR
    • 関係3 
           
  3. 微分方程式とその解
    • 微分方程式 1階線形微分方程式

      ¶電気回路と微分方程式のモデル
    • 解 指数関数的な減衰

      ¶典型的な解の挙動
OHP-3 OHP-4

5-7 球状コンデンサー

原理

  1. 構造
    • 導体球殻A 半径a
    • 導体球殻B 半径b(>a);Aと同心
  2. 境界条件
    • A上に電荷+Q
    • B上に電荷-Q
    • VB=0(接地)
  3. AB間の電場
  4. Aの電位
  5. 電気容量
  6. 特殊な場合
    • b〜a S=4πa2、d=b-a の平行平板コンデンサー
    • b→∞ 孤立球
OHP-5 OHP-6

5-8 円筒コンデンサー

原理

  1. 構造
    • 導体円柱A 半径a
    • 導体円管B 半径b(>a)、Aと同心
  2. 境界条件
    • Aの表面電荷密度 +σ
    • Bの表面電荷密度 -(a/b)σ
    • VB=0(接地)
  3. AB間の電場
  4. Aの電位
  5. 電気容量
  6. 特殊な場合
    • b〜a 単位長あたりS=2πa、d=b-aの平行平板コンデンサー
OHP-7 OHP-8

5-9 コンデンサーの連結

並列

  1. 境界条件
    • 電位差V 不変
    • 電荷Q 総和
    • 関係式
  2. 合成容量C Ciの総和

直列

  1. 境界条件
    • 電位差V 総和
    • 電荷Q 不変
    • 関係式
  2. 合成容量の逆数1/C 1/Ciの総和
OHP-9 OHP-10

5-10 コンデンサーの静電エネルギー

平行平板コンデンサーの場合

  1. 導体BからAに電荷dq(微量)を繰り返し運ぶ
  2. 最初はVAB=0  初期充電量ゼロ
  3. 到達充電量  Aが+Q、Bが-Q
  4. dqを運ぶ仕事 dw

    ¶ 電位差V=VAB のとき
  5. 全仕事 w

    ¶ q=0からq=Qまで積分
  6. wはコンデンサーの静電エネルギーUに等しい
OHP-11

5-11 静電場のエネルギー

平行平板コンデンサーの場合

  1. 媒達作用の立場 「電場は”実体”」
  2. コンデンサーの静電エネルギー  U=w=u×体積
  3. 静電エネルギー密度  u

    ¶電場の強さEで決まる
  4. 場のエネルギー uの一般化
  5. コンデンサーの静電エネルギーは場に蓄えられる
OHP-12

宿題

提出フォーム

平板コンデンサー

間隔が1cm、面積が1m2の平板コンデンサーがある。 このコンデンサーに1Vの電圧をかけて帯電させた。以下の問いに答えなさい。
  1. このコンデンサーの電気容量を求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  2. 各極板に誘起されている電荷の総量求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  3. コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーを求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  4. 極板の内側表面にできる電場の向きと大きさを求めなさい。
    ヒント: 問2で求めた電荷から、表面の 電荷密度を求める。公式を利用。
  5. 極板の引き合う力を求めなさい。
    ヒント: 一方の極板上の電荷が他方の極板上 の電荷と引き合う力を求める。問4で求めた極板表面の電場の半分は極板 上の電荷が作る電場なので、その電荷自身には作用しない。したがって、 実際に作用する電場(有効電場)は極板表面の電場の残りの半分となる。
  6. 電圧はそのままで、極板の間隔を0.1mm広げるのに必要な仕事を求め なさい。
    ヒント: 問5で求めた力をもとに考える。 (0.1mm広げても、この力は同じと考えて良い。)
  7. 0.1mm広げた後の、コンデンサーの静電エネルギーを求めなさい。さ らに、問3で求めたものと比較し、エネルギー保存則が成り立つことを 示しなさい。
    ヒント: エネルギーの変化を与えるのは外 から加える仕事だけである。したがって、外から加える仕事はコンデン サーの静電エネルギーを増加させる。