物理学BI

1学期 第8回 戻る 次へ

参考書
「電磁気学I」 6.誘電体(その1) (131-140頁)
「物理学の基礎[3]」 26 電気容量 (73-94頁)
「物理学 III」 26 容量および誘電体 (747ー751頁)

6-1 小体積内の点電荷群

原点O近傍の点電荷群の作る電場

  1. 点Ai(ai)に電荷qi
  2. 点P(r)の電位

    ¶ クーロンの法則と重ね合わせの原理
  3. ai«rのときの近似式

    ¶ ai/rでテイラー展開
OHP-1 OHP-2 OHP-3 OHP-4

6-2 電気双極子

原理

  1. 適用条件
    • 電荷の総和(0次のモーメント)がゼロ
    • 双極子モーメントμ (1次のモーメント)が存在
  2. 点P(r)の電位

  3. 特別な場合
    • 2個の点電荷 +qと-q
    • 距離 2l
    • 点P(r)の電位

    • 点P(r)の電場

OHP-5 OHP-6

6-3 電気四重極

原理

  1. 適用条件
    • 電荷の総和と双極子モーメントがゼロ
    • 四重極モーメント(2次のモーメント)が存在
  2. 点P(r)の電位

  3. 特別な場合
    • 2個の電気双極子  +qlと-ql
    • 原点Oを挟んで1直線(x軸)上にある
    • 点P(r)の電位

    • 点P(r)の電場

OHP-7 OHP-8

6-4 分子の極性

基本的性質

  1. 電荷の総和はゼロ
  2. 結合の種類
    • イオン結合 大きな双極子モーメント
    • 共有結合  小さな双極子モーメント
  3. 極性分子と非極性分子
  4. 電場による影響 極性分子化
OHP-9 OHP-10

6-5 分極

分子集団の分極

  1. 電場のない場合 全体として分極ゼロ
  2. 電場のある場合
    • 非極性分子は誘発分極
    • 全体として電場方向に分極 配向
  3. 電気分極 双極子モーメントの密度

  4. 分極線と分極管
OHP-11 OHP-12

6-6 分極電荷

分極電荷と真電荷

  1. 分極電荷
    • 体積密度
    • 表面密度
  2. 分極電荷 分子内での電子移動
  3. 真電荷  導体内を自由に移動
    ¶導体内の自由電子
OHP-13 OHP-14

宿題

提出フォーム

電気双極子モーメント

NaCl分子は+1価のNaイオンと-1価のClイオンが距離a=2.4×10-10m の間隔をおいてイオン結合している。以下の問いに答えなさい。ただし、各 イオンはその中心にそれぞれ+e(電気素量1.6×10-19C)お よび-eの電荷を持って引き合っていると考えてよい。
  1. 2つのイオンの間に働く引力[N]を求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  2. NaCl分子の持つ電気双極子モーメント[mC]を求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  3. NaCl分子を電場1×104V/mの中に置くと、電気双極子モ ーメントを電場方向に向けようとする復元力が働く。復元力について、 力のモーメントを求めよ。ただし、電場と電気双極子モーメントのなす 角度をθとする。
    ヒント: 2原子の中心を結ぶ直線の中点を 基準にして考える。力の作用点までの腕の長さは(a/2)sinθとなる。力 の符合は角度θの増加する方向を正にとる。
  4. 角加速度αθは力のモーメントを慣性モーメント (MNa+MCl)(a/2)2で割ったも のである(MNaとMClはそれぞれNa原子とCl原子の 質量)。角度θについての運動方程式を求め、単振り子の式と同型で あることを示しなさい。
    ヒント: 単振り子の式は
    αθ = d2θ/dt2 = -ω2θ
    である。
  5. NaCl分子は復元力によって単振動する。その周期を求めなさい。
    ヒント: 単振り子の周期は
    T = 2π/ω
    である。