物理学BI

1学期 第9回 戻る 次へ

参考書
「電磁気学I」 6.誘電体(その2) (141-157ページ)
「物理学の基礎[3]」 26 電気容量 (73-94ページ)
「物理学 III」 26 容量および誘電体 (発展学習)

6-7 誘電体に基づく電場

電場内の導体と誘電体

  1. 真電荷  q
  2. 分極電荷  qv'(内部)、qS'(表面)
  3. 合成電場  E = E(q)+E(qv') +E(qS')
OHP-1

電場の関数としての電気分極

  1. 電気分極P電場Eに比例
  2. 電気感受率χe
    (定義)  Peε0E
    ¶ 異方性物質ではχeは行列
  3. 電場Eと外部電場E0
    (定義)  E = E0-P0
OHP-2 OHP-3 OHP-4

6-8 電束密度

誘電体があるときのガウスの法則

  1. 境界条件
    • 誘電体を閉曲面Sで切り取る
    • S内の誘導電荷の総和はゼロ
  2. 境界面上の電荷密度  (P・n)
    nは法線ベクトル
  3. 境界面上の電荷密度で生じる付加電場

  4. 境界面上の電場  ES=E+P0
  5. 電束密度 D
    (定義)  D0ES= ε0E+P
  6. 拡張されたガウスの法則

OHP-5 OHP-6

6-9 誘電率

電場、電気分極、電束密度

  1. EPD すべて同じ方向
    ¶ 異方性物質では違う
  2. 誘電率 ε
    (定義)  D = εE
  3. 比誘電率 εr
    (定義)  1+χer  ,   εrε0
  4. ガウスの法則

OHP-7

6-10 帯電体と誘電体

導体表面付近が誘電体で満たされている場合

  1. 電場と分極電荷(ガウスの法則)
    ε0(E・n)=σ+σ'
    ¶ σ(導体表面)、σ'(誘電体表面)
    ¶ 導体表面を挟んだ厚さの無視できる微小な円柱を考える
  2. 表面に働く張力  p=σ(σ+σ')/2ε0

    ¶ ε0E=σ+σ'および εE=σから σ+σ'=(ε0/ε)σ

その他の性質

  1. 誘電体と誘電体の境界 電気力線の屈折
  2. 誘電体中の2つの帯電体間に働く力  ε0をεに置き換える
OHP-8 OHP-9

6-11 誘電体と電気容量

平行平板コンデンサーの場合

  1. 導体平板A、B(面積S)に電荷+Q、-Q
  2. 隙間の電場

  3. 誘電体内部の電場

  4. AB間の電位差
    V=Et+E0(d-t)
  5. コンデンサーの容量

    ¶ t=dのとき
  6. コンデンサーの静電エネルギー

  7. 誘電体内の静電エネルギー密度

OHP-10 OHP-11

6-12 実用コンデンサー

さまざまなタイプの実用コンデンサー

  1. マイカコンデンサー
  2. ペーパーコンデンサー
  3. プラスチックコンデンサー
  4. セラミックコンデンサー
  5. 電解コンデンサー

宿題

提出フォーム

導体、誘電体、コンデンサー

間隔が1cm、面積が1m2の平板コンデンサーがある。 このコンデンサーに1Vの電圧をかけて帯電させた。以下の問いに答えなさい。
  1. このコンデンサーの極板間に面積1m2、厚さ0.8cmの 導体板を挿入した。導体板とコンデンサーの各極板の間の間隔はそれ ぞれ0.1cmであった。
    1. 挿入前と挿入後のコンデンサーの容量を求めなさい。
      ヒント: 挿入後は直列結合した2つの コンデンサーになったと考える。公式を使う。
    2. 挿入前と挿入後のコンデンサーの静電エネルギーを求めなさい。
      ヒント: 公式を使う。
    3. 導体板を極板と極板の隙間に近づけたとき、導体板は吸い込まれる か、それとも押し戻されるか。理由を付けて答えなさい。
      ヒント: 挿入前と挿入後のコンデンサーの 静電エネルギーの差を考える。(押し出されるのに抗して)導体板が仕事 をする場合には静電エネルギーは増加し、(吸い込まれるのに従って) 導体板が仕事を受ける場合には静電エネルギーは減少する。
  2. このコンデンサーの極板間に面積1m2、厚さ1cm、比 誘電率4の誘電体の板を隙間のないよう挿入した。
    1. 挿入前と挿入後のコンデンサーの容量を求めなさい。
      ヒント:誘電率が変わることを考える。 公式を使う。
    2. 挿入前と挿入後のコンデンサーの静電エネルギー求めなさい。
      ヒント: 公式を使う。
    3. 誘電体板を極板と極板の隙間に近づけたとき、誘電体板は吸い込 まれるか、それとも押し戻されるか。理由を付けて答えなさい。
      ヒント: 挿入前と挿入後のコンデンサーの 静電エネルギーの差を考える。(押し出されるのに抗して)誘電体板が 仕事をする場合には静電エネルギーは増加し、(吸い込まれるのに従って) 誘電体板が仕事を受ける場合には静電エネルギーは減少する。