物理学BI

1学期 第10回 戻る 次へ

参考書
「電磁気学I」 9.定常電流 (193-223頁)
「物理学の基礎[3]」 27 電流と抵抗 (95-113頁)
「物理学 III」 27 電流と抵抗 (764ー780頁)

9-1 電流

電流の担体

  1. 金属 {自由電子}
  2. 半導体 {電子、正孔}
  3. 電解質溶液 {正イオン、負イオン}
  4. 気体 {正イオン、負イオン、電子}
OHP-1

9-2 導線を流れる定常電流

いくつかの特徴

  1. 担体は導線(断面積S)内の自由電子(密度N)
  2. 電場Eのない状態では熱運動
  3. Eがかかると熱運動しながら -E方向に流動
  4. 電流は流動速度vに比例  i=eNvS
  5. 熱運動の速度 » 流動速度
OHP-2

9-3 オームの法則

コンダクタンス/電気抵抗

  1. 電流iは両端にかかる電圧Vに比例
  2. コンダクタンス G
    i=GV
  3. 電気抵抗 R
    i=V/R
  4. 直線型抵抗体
OHP-3

9-4 電気伝導率

体積抵抗率/電気伝導率/電流密度

  1. 導線の抵抗 <長さlに比例、断面積Sに反比例>
  2. 体積抵抗率 ρ
    R=ρ(l/S)
  3. 電気伝導率
    g=1/ρ
  4. 電流密度
    J = i/S
  5. オームの法則の別の表現
    J = gE
OHP-4 OHP-5

9-5 非直線性抵抗

ダイオード素子

  1. 真空管
  2. 点接触半導体ダイオード
  3. PN接合半導体ダイオード
  4. 江崎ダイオード
  5. 整流作用
OHP-6

9-6 電圧降下

抵抗と電圧降下

  1. 定常電流 i
  2. 抵抗 R
  3. 電圧降下 V=iR
  4. 電源  <外部抵抗と内部抵抗>
OHP-7

9-8 キルヒホッフの法則

回路網における保存則

  1. 第一法則 <電荷の保存>
    「一つの分岐点に入る電流の総和はゼロ」
  2. 第二法則 <電圧の保存>
    「任意の閉回路で、電流×抵抗の総和は起電力の総和」
OHP-8

宿題

提出フォーム

金属の電気伝導

長さ1m、直径0.5mmの銅の導線の両端に0.1Vの電池を接続したところ、導線に は1.2Aの電流が流れた。以下の問いに答えなさい。
  1. 銅の体積抵抗率ρを求めなさい。
    ヒント: 公式を使う。
  2. 金属結合をしている銅原子からは1個の価電子が自由電子として 取り出される。この導線の自由電子密度Nを求めなさい。ただし、導線の 密度は9.0g/cm3、銅の原子量は64である。
    ヒント: 原子1個あたり1個の自由電子なので、 単位体積あたり原子がいくつあるか(数密度)考える。
  3. このとき、導線中の自由電子の流動速度vはいくらか。
    ヒント: 公式を使う。
  4. また、導線中の自由電子の移動度μはいくらか。
    ヒント: 導線中の電場(均一とする)を計算す る。公式を使う。

抵抗の直列接続と並列接続

キルヒホッフの法則を応用して、次の各場合について合成抵抗Rを表す式を 導きなさい。
  1. 抵抗R1, R2, ....,Rnを直列に接続。
    ヒント: 第二法則で考える。
  2. 抵抗R1, R2, ....,Rnを並列に接続。
    ヒント: 第一法則と第二法則で考える。