物理学BII

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参考書
「電磁気学II」 17.交流 (157-190ページ)
「物理学の基礎[3]」 33 電磁振動と交流 (134-264ページ)

17-1 交流起電力

交流起電力の発生

  1. 一様磁場中でコイルを回転
  2. コイル
    • 面積 S
    • 巻き数 N
    • 磁束密度 B
    • 回転角速度 ω
  3. コイルを通る磁束
    Φ(t) = BS sinωt
  4. 磁束の変化から生じる誘導起電力
    e(t) = -dΦ/dt× N = -ωNBS cosωt
  5. 交流起電力
    e(t) =  e0 cos2πνt
    ¶ 振幅e0、周波数νの交流
OHP-1

交流発電機の原理

  1. 場磁石
    Bを作る磁場を与える
  2. 電機子
    ¶ 回転するコイル
  3. すべり環
    ¶ コイルの両端に取りつけた電極
  4. ブラシ
    ¶ すべり環と接触し、電力を取り出す
  5. 鉄心のコイル
    ¶ コイルを貫く磁束Φを強める
OHP-2

交流起電力と抵抗 -LR直列回路-

  1. 交流起電力
    e(t)=e0cosωt
  2. インダクタンスLによる誘導起電力
    eL = -L di/dt
  3. キルヒホッフの法則

    ¶ R'はコイルの抵抗
  4. 微分方程式
  5. 微分方程式の
    i = i0 cos(ωt-β)
    ¶ i0とβは定数
    • i0=e0/[(Lω)2+(R+R')2] 1/2
    • β=tan-1[Lω/(R+R')]
  6. Rにかかる電圧
    v = Ri0 cos(ωt-β)
OHP-3 OHP-4

17-2 RLC回路

コンデンサの特徴

  1. 直流は流れないが、交流は「流れる」
  2. 両端の導線を等しい電流が流れる
    ¶ 極板には常に正負等量の電荷が存在する

RLC直列回路を流れる電流 i(t)

  1. 交流起電力
    v(t) = v0cosωt
  2. キルヒホッフの法則

    ¶ Lによる電圧効果 L di/dt
    ¶ Cによる電圧効果 Q/C
    ¶ Rによる電圧効果 Ri
  3. 両辺を微分

    ¶ Qとiとの関係: dQ/dt = i
  4. i(t)についての微分方程式

    ¶ 強制振動の方程式
OHP-5 OHP-6 OHP-7

17-5 インピーダンス

複素数表示の利用

  1. 起電力の複素数表示
    E = E0 eiωt
    dE/dt = iωE
  2. 電流の複素数表示
    I = IR + i II  = I0ei(ωt-φ)
    dI/dt = iωI
  3. 微分方程式の複素数表示

    ¶ RLC直列回路の場合
  4. Iについての代数方程式
    (-Lω2+iωR+1/C)I =  iωE
    ¶ RLC直列回路の場合
  5. 代数方程式の解
    I = (-Lω2+iωR+1/C) -1E
    ¶ RLC直列回路の場合
  6. 解の実部が求める結果
    i(t) = Re I = IR
OHP-8

微分方程式の解法

  1. E = E0 eiωt
  2. I = I0 ei(ωt-φ)
  3. 微分方程式に代入
  4. 方程式 ZI = E

    ¶ オームの法則 Ri = V 
  5. 解: I = E/Z
  6. インピーダンス Z(複素数)
    • 実部: 抵抗
    • 虚部: リアクタンス
    • 例:R(抵抗)、iLω(インダクタンス)、-i/Cω(コンデンサ)
  7. アドミッタンス Y(複素数)
    • 定義: Y = 1/Z
    • 実部: コンダクタンス(G)
    • 虚部: サセプタンス(B)
OHP-9 OHP-10

インピーダンスの直列結合と並列結合

  1. 抵抗と同様に考えて良い
  2. 直列結合:Z = Z1 + Z2
  3. 並列結合:Y = Y1 + Y2
  4. キルヒホッフの法則の一般化

17-8 実効値

交流の強さの指標

  1. 瞬時値I(t)は常に変化
    I(t) = I0 cos iωt
  2. 1周期の平均はゼロ
    ¶ 指標にならない!
  3. 1周期の2乗平均は有限
    ¶ 指標に採用
  4. 実効値 I
    -2乗平均値の平方根(RMS)-
  5. 交流電力
    -平均値-

    力率 cosθ
OHP-11 OHP-12


宿題

提出フォーム

RLC回路

抵抗R、インダクタンスL、コンデンサーCを直列結合した回路に交流起電力 E(t) = E0eiωtを接続し た。
  1. 回路のインピーダンスZを求めよ。
    ヒントZ =  ZR+ZL+ZC
  2. 回路のアドミッタンスYを求めよ。
    ヒントY-1 =  YR-1+YL-1 +YC-1
  3. 回路を流れる電流Iを求めよ。
    ヒントI =  E/Z
  4. 回路を流れる電流の強さ(振幅|I|)を求めよ。
    ヒント:|I| =  (IR2+II2) 1/2
  5. 電流の強さを、角周波数ωの関数としてグラフに描いてみよ。 また、最大値をとるときの角周波数ωpを求めよ。
    ヒント:電卓やコンピュータを使用 して計算。