: 超伝導と遷移金属酸化物
: BCS理論
: ボゴリューボフ変換による解
目次
ボゴリューボフ変換を用いて
,を定義し,
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(7.11.122) |
を考える.次に,
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(7.11.123) |
を最小にするように,(7.11.42)式の
と(7.11.29)式の
,
を決定する.これは有限温度のハートリーフォック近似を意味する7.2.
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(7.11.124) |
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(7.11.125) |
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(7.11.126) |
は(7.11.31)式のように表されているが,
= 0,
=
であり,
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(7.11.127) |
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(7.11.128) |
である.これらを(7.11.43)式に代入する.
= 0より,
= 0より,
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(7.11.130) |
(7.11.49),(7.11.50)式の左辺の括弧内で
を無視すると,(7.11.50)式の解は,
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(7.11.131) |
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(7.11.132) |
となる.(7.11.52)式をギャップ方程式と呼ぶ.
ギャップ方程式について調べよう.状態密度をフェルミ面での値で近似すると,
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(7.11.133) |
となる.(7.11.53)式から決まるは,,すなわち温度によって変化する.tanhの項はが増加すると減少するので,(7.11.53)式から決まるは温度が増加すると単調に減少する. = 0になる温度がである.すなわち,
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(7.11.134) |
からは決定される.部分積分すると,
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(7.11.135) |
を得る.ここで
より,
1と近似できるから,
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(7.11.136) |
となる.さらに上式第2項の積分の上限をに置き換えると,
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(7.11.137) |
を得る.ここではオイラー定数である.こうして,
となる.(7.11.57),(7.11.19)式より,
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(7.11.139) |
が導かれる.実験によれば,
= 3.0 - 4.5である.
: 超伝導と遷移金属酸化物
: BCS理論
: ボゴリューボフ変換による解
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Masashige Onoda
平成18年4月7日