ホール素子とは,ローレンツ力によるホール(Hall)効果を利用した磁場測定用の素子である.ホール効果実験は図9のように行われる.
電場は
方向に伸びた伝導体にかかり,電流密度
が流れている.磁場
は正の
方向にかかっている.このときローレンツ力
が働く.このために電子は負の
方向に偏る.電子がそこにたまるにつれて,電子の運動とその蓄積を妨げるように
方向に電場ができる.平衡状態では,横電場
はローレンツ力とつり合い,電流は
方向にのみ流れる.すなわち
は磁場
と電流
に比例する.ここで
もう少し詳しく見てみよう.任意の成分,
を持つ電場と,
軸に沿った磁場
とがかかっている場合の電流密度
,
を求める.電子1個当りの運動方程式は,