: いろいろな磁性
: 磁性の基本的理論と実験
: 磁気モーメント
目次
ここで磁化測定の方法について紹介しておこう2.5.磁化決定の最も一般的な方法は,位置変化に伴う力またはエネルギー変化の測定に基づいており,この方法をファラデー(Faraday)法と呼ぶ.磁場
中での個々の磁気モーメント
の配向エネルギーは,
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(2.2.12) |
で与えられるので,磁場による変化は,
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(2.2.13) |
となる.
磁場中の試料の単位質量当りのエネルギーを得るためには,試料全体にわたって個々の磁気モーメントの和をとった後で,磁場に関して積分する必要がある.すなわち,
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(2.2.14) |
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(2.2.15) |
となる.ここでは磁場に対する磁化の比を表し,帯磁率と呼ばれる.
試料は磁場勾配
の値の大きい不均一磁場の中に置かれる.試料の軸方向に働く単位質量当りの力は,
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(2.2.16) |
と書ける.したがってあらかじめ
を決定しておけば,を測定することによって物質の磁化あるいは帯磁率を知ることができる.
は,たとえば横振れ式天秤を用いて測定される.図2.2にその概念図を示す.試料にの力が働くと,回転モーメントの釣り合いから天秤の他方に加わる力は
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(2.2.17) |
となる.は,ストレインゲージ(Uゲージ)と呼ばれる素子によって電気信号に変換される.が知れれば,磁化は,
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(2.2.18) |
で与えられる.
: いろいろな磁性
: 磁性の基本的理論と実験
: 磁気モーメント
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Masashige Onoda
平成18年4月11日