: 微分形のガウスの法則
: 微分形のガウスの法則
: 偏微分法と勾配
図 1.11:
微小箱中の点電荷
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図1.11のように,体積
の微小な箱の中に正電荷がある.の作る電場は箱の中から外向きに出ている.
この箱の表面上で電場の面積分を行ってみよう.まず軸に関しては,
となる.上の第2式に負の符号がついたのは面Bに立てたの方向が軸の負の方向に相当しているからである.,軸に関しても同様の計算を行うと,最終的に,
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(1.3.44) |
が得られる.これは,体積
の微小な箱に対する,正電荷が作る外向き電場の正味の量に相当する.
ここでdiv
(
)を次式で定義しよう.divはダイバージェンス(divergence;発散)と呼ばれる.
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(1.3.45) |
式の定義から想像されるように,div()は,微小な箱から出てくる電場の正味の量に対応している1.2.(1.3.7)式,(1.3.8)式より,
とおけることがわかる.
図 1.12:
任意の閉曲面の内部分割
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今度は,任意の閉曲面曲面上で求めてみる.図1.12のように,の内部を微小な箱に分割して考えればよい.このとき,互いに隣り合う箱の面上では,それぞれの面上に外向きに立てたの方向が反対向きになっていて,そのためにその面上の面積分は互いに相殺してしまうことに注意しよう.結局積分で残るのは,相手のない面,すなわち,全体の表面からの寄与だけになる.
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(1.3.48) |
(1.3.7)式より,
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(1.3.49) |
であるから,
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(1.3.50) |
となる.ここでのは,によって囲まれる空間領域である.すなわち,
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(1.3.51) |
この面積分を体積積分に変換する定理をガウスの定理という.この関係は,()が電場であるか否かに関係なく,三個の成分をもつ任意の関数に対して常に成立する数学上の定理である.
: 微分形のガウスの法則
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: 偏微分法と勾配
Masashige Onoda
平成18年4月15日