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: 静止流体の圧力 : 連続体の力学 : 弾性率

弾性歪みエネルギー

長さ$l$,断面積$S$の一様な棒に力$F$を加えて引っ張り,$\epsilon$の伸び歪みを与えるためには,棒のヤング率を$E$とすると,
$\displaystyle F
=
E S \epsilon,$      

となる.さらに,$\epsilon$$d\epsilon$だけ増すためには,この力で棒の長さを$dl$ = $ld\epsilon$だけ増すわけであるから,$\epsilon$ = $\Delta l/l$まで引っ張るときになされる仕事$W$は,
$\displaystyle W
=
\int_{l}^{l + \Delta l} F dl
=
SlE \int_{0}^{\epsilon} \epsilon d \epsilon
=
{SlE \over{2}} \epsilon^{2},$      

となる.棒の体積は$Sl$であるから,この棒には単位体積当り,
$\displaystyle U
=
{1 \over{2}} E \epsilon^{2},$     (6.3.9)

だけの仕事が外力によってされたことになる.弾性体の場合,この仕事は内部にポテンシャルエネルギーとして蓄えられる.これを弾性歪みエネルギーという.

Masashige Onoda 平成18年4月15日