: 第2回演習問題
: 積分形のガウスの法則
: ベクトルのスカラー積と面積分
図 1.7:
点電荷
の位置ベクトル
を中心とする球面および法線ベクトル
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(1.1.7)式において,図1.7のような
を中心とする半径
= 
- 

の球面を考えよう.球面に立てた単位法線ベクトル
は半径の方向を向くので,
とおいてよい.したがって,
が得られる.ここで両辺に球の表面積4

をかけると
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(1.2.29) |
となる.すなわち,球の中心におかれた点電荷
を中心として放射状に広がる電場を球面上で加え合わせたとき,その値は,球の中心にある電荷の値を
で割ったものに等しいことがわかる.
図 1.8:
点電荷
を囲む任意の閉曲面
に関するガウスの法則の導出
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今度は,図1.8のような点電荷
を囲む任意の閉曲面
を考えてみよう.このときは,閉曲面
上にとった微小面
とその上の電場
(
)とは一般に直交していない.
に立てた単位法線ベクトルを
(
)としよう.
(
)の
(
)方向の成分は,
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(1.2.30) |
となる.ここで
は
(
)と
(
)の間の角度を表す.ここで,微小面
を点電荷
からみた立体角
を1.1,
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(1.2.31) |
として導入すると,(1.2.12)式は
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(1.2.32) |
したがって,
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(1.2.33) |
すなわち,(1.2.11)式は点電荷
を囲む任意の閉曲面に対して成り立つ.
図 1.9:
点電荷
を囲まない任意の閉曲面
に関するガウスの法則の導出
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次に,図1.9に示すように,点電荷
をその内部に含まない閉曲面
を考えよう.このときは,面積分を
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(1.2.34) |
のように分解して考えるとよい.今,
より,
となるので,
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(1.2.35) |
これまでは,閉曲面として点電荷
から引いた半直線が閉曲面
と二度以上交わらない場合を考えたが,それ以上交わる場合でも上式は成立する(証明略).
閉曲面
の内部に点電荷
,
,
,
があり,その外部に点電荷
,
,
,
がある一般の場合を考えよう.このとき,これらの電荷が閉曲面
上の
なる場所に作る電場を,それぞれ
(
),
(
),
,
(
)および
(
),
(
),
,
(
)とする.このとき全電場は,
(1.2.15)式,(1.2.17)式より,
内にある点電荷からの寄与は残り,
の外にある点電荷からの寄与は消える.
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(1.2.36) |
これを積分形のガウスの法則という.
電荷が連続的に分布している場合には,空間を細かく分割し,それぞれの微小体積に番号を付け,場所
における電荷密度を
(
),そこでの微小体積を

として計算を行えばよい.
において,
0の極限をとると
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(1.2.37) |
: 第2回演習問題
: 積分形のガウスの法則
: ベクトルのスカラー積と面積分
Masashige Onoda
平成18年4月15日