物理学BI

1学期 第4回 戻る 次へ

参考書
「電磁気学I」 3.電位 (52-83頁)
「物理学の基礎[3]」 25 電位 (53-72頁)
「物理学 III」 25 電位 (700-712頁)

3-1 保存力の場とポテンシャル

保存力の場

  1. 電場は保存力の場 ¶ 重力と同様
  2. 電荷+qが点iからfに移動するとき、受ける仕事Wif は経路によらない
    ポテンシャルが存在する条件
  3. 点Pのポテンシャル V =  -WAP/q
    ¶ 基準点A
  4. とくに、WPP = 0
    閉曲線線を一周しても場から受ける仕事 はゼロ
OHP-1

静電ポテンシャル(電位)

  1. 電位の計算  <経路積分>
  2. 点電荷の作る電位が基本
  3. 点電荷の集まりによる電位  <重ね合わせの原理>

3-2 等電位面

等電位面

  1. 電位の等しい点の集まり  <一つの曲面>
    ¶ 地図の場合の等高線に相当;2次元では曲線
  2. 電気力線と直交
  3. 電場の向き  <電位勾配が最も急な方向>
OHP-2

3-3 電位と電場

電位の意義

  1. 幾何学的なイメージ  <ランドスケープ>
  2. 電位勾配  <電場ベクトル> (大きさと方向)
  3. 数学的形式化  <グラディエント演算子>
  4. E = -gradV
OHP-3

グラディエント演算子の定義

  1. 座標軸  デカルト座標/極座標/円筒座標
  2. 各座標軸に沿った傾き  grad =  (gradi, gradj, gradk)
OHP-4

いろいろな座標でのグラディエント演算子

  1. デカルト座標
  2. 極座標
  3. 円筒座標
OHP-5 OHP-6 OHP-7

3-4 ポアソンの方程式とラプラスの方程式

ダイバージェンス演算子divと電場E

  1. ガウスの法則の別の表現  <微分形>
  2. ガウスの定理の数学的帰結  ε0div E = ρ(x,y,z)
  3. 場のミクロな性質を表現
    ¶ ガウスの法則はマクロな性質を表現
OHP-8

いろいろな座標でのダイバージェンス演算子

  1. デカルト座標
  2. 極座標
  3. 円筒座標

ポアソンの方程式

  1. ε0div E =  ρ(x,y,z) にE =  -gradV  を代入
  2. ポアソンの方程式  ε0div gradV =  -ρ(x,y,z)
  3. 電荷のない場合:  ラプラスの方程式 ε0div gradV  = 0
    ¶ 歴史的にはラプラスの方程式が先
OHP-9

いろいろな座標でのポアソンの方程式

  1. デカルト座標
  2. 極座標
  3. 円筒座標
OHP-10
電磁気学のためのベクトル入門4
電磁気学のためのベクトル入門5

宿題

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電位と電場

原点O(0,0,0)に電荷+qの電荷がある。以下の問いに答えなさい。
  1. 点P(x,y,z)に1Cの試験電荷Tを置いた。Tの受ける力を求めなさい。 ただし、r=(x2+y2+z2)1/2 とする。
  2. Tを原点の方向に微小な距離dr動かすのに必要な仕事は

    であることを示しなさい。
    ヒント: 電場の向きと移動の向きは反平行。
  3. 点P(x,y,z)の電位が

    となることを示しなさい。ただし、基準点を無限遠とする。
    ヒント: 無限遠が基準点なので、点Pの電位は dVをrについて+∞からrまで積分して求める。

グラディエント演算子

前問で求めた電位にグラディエント演算子をかけ、点Pの電場ベクトル を計算しなさい。
  1. デカルト座標でのグラディエント演算子を書きなさい。
  2. グラディエント演算子を電位にかけ、点Pの電場ベクトル を計算しなさい。
    ヒント: まずVをrで微分し、さらにrのグラディエントr/rとの積を計算する。